駐妻妊婦の話  ~Cセクション~

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Cセクションというのは、英語ではC-sectionと書きます。
Caesarean sectionの略字になりますが、Julius Caesarがこの方法で生まれたと伝えられることから来ているそうです。
こんな英語もぶっつけ本番、現地で調達できちゃうのが海外出産のいいところです。

さぁ、今日は出産編、最後の話をお届けします。
この後、入院編とか退院後とかネタは尽きないわけですが、それはたぶんまた今度。

さて、切ってくださいと言ったが最後、ちょっとマッテはありません。
どこにいたのよ?というくらい大量のナースが部屋にやってきて、あれやこれやと準備を始めます。
まずは剃毛。
ブイーンと髭剃り機みたいなもので、あっという間にそられてしまいます。
しかも中途半端に上の部分だけ・・・。

次に数名のナースがシーツごと私の体をせぇの!と掛け声を合わせてストレッチャーへ移動し結構なスピードで手術室へ運んでいきます。
その間、おろおろとする旦那はベテランナースに腕をつかまれ、落ち着け、ここに座ってこれを飲め、これを食べなさいと無理やりどこかに座らされたそうです。
私と引き離されて不安いっぱいながらも、自分にできることは何もないと悟った旦那は観念しておばちゃんの言いなりに。

そうこうするうちに、私に方は手術台に移動させられ、なんと両手は横に広げて台に縛られるという状態になりました。
分かりますかねぇ・・・本当に十字架に縛られてるみたいな格好です。
エピドラルの影響で、ず~っと震えていた私(本当に寒くて寒くて震えが止まらないという感覚です)、確かに腕は縛ってもらえないと横に広げてキープなんてできないというのは、2人目の出産の時に実感しました。(2人目の出産のときは同じシチュエーションで手は縛られなかった)

オペ室用の服に着替えた旦那も入ってきて、私の頭の横に座らされると、いよいよオペの開始です。
もう、本当にどうにでもして~という感じの私は、とにかく早く無事に終わってくれと、何も感じないように努めて無の境地を目指していました。
そんな瞑想を試みる私の上には無情にも体の大きなナースが乗ってきました。
乗ってきたというのは、見ていないので正確ではないのですが、何かすごい力で胸というかおなかのあたりを圧迫されたんです。
まさしく、字に書くならば「ぐぇ」という感じ。

それからしばらくして、赤ちゃんの泣き声が聞こえました。

このときのことを旦那が言うに、私の頭の上で例の麻酔科医が手術の麻酔をコントロールしつつ、オペ室のメンバーは産科の医師も含めて楽しく歓談しながら仕事をしていたそうなんです。
そして、暇になった麻酔科医が「ほ~らお前の子供が生まれたぞ」というので、旦那がおなかの方を覗き込んだところ(カーテンで仕切られているので普通には見れません)私のお腹から頭だけ出した娘が泣いていたそうです。

生まれたぞ・・・って、まだ全部出てないじゃないか!!と心の中で絶叫した旦那ですが、その後、私がバースプランでお願いしていた通り、へその緒を切り、赤ちゃんの体重測定や何やかやに立ち会ってくれました。
私の方はBABYが生まれた安堵で、あとは野となれ山となれ。
生きていたら、また後でお会いしましょうね~という境地です。

すべての処置が終わって、回復室に移動し、たぶん2時間ぐらいウトウトと寝たような起きてたような、よくわからない時間を過ごしました。
旦那が言うには、赤ちゃんを顔の前に連れてきてもらった後、麻酔科医が私を落とす(眠らせる)と言ったそうなんですが、回復室の様子もナースに何か言われたことも一応覚えています。

旦那も回復室にやってきて、ぼ~っとしながら二人で反省会みたいな話をしたような気がします。
そしていよいよ、入院棟へ移動することに。
部屋からベッドごと廊下に出ると、どこからともなくbabyも合流。
そして、優しいオルゴールの調べが聞こえてきました。

この病院、赤ちゃんが生まれるとそれをお知らせするオルゴールが病院中に流れるんです。
ツアーで病院見学に来た時も、このオルゴールを聞いて感動しましたが、自分の赤ちゃんのオルゴールはまた格別でした。

こうして、無事(?)私の海外初出産は終わりました。

赤ちゃんはどうやら開かない子宮口に頭頂部からではなく、顔から突っ込んだようで顔面の両サイドに青あざを作っていましたが、とても元気でした。

ずいぶん昔のことを、懐かしく思い出しながら書いてみましたが、あの時の赤ん坊も今は立派な小学生です。
いっちょ前に、英語と日本語、両方喋ります。

大切に大切に育てたわが娘。
万が一にもぐれたら許さん!というのが、私の偽らざる本心です。

ご清聴ありがとうございました。

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3 件のコメント

  1. さくらもち 返信

    ご出産おめでとうございます!
    このシリーズ、最初から興味深く読んでいましたが、まさに手に汗握る最近の展開にはハラハラドキドキでした。

    これからもいろいろなお話を楽しみにしております。

    • Guppy 投稿者返信

      コメントありがとうございます。
      ハラハラ ドキドキしていただけましたか!?
      嬉しいですね〜。
      もう9年近くも前の話です。
      息子バージョンもありますが、それはまた別の機会に!!

      • さくらもち 返信

        はい!

        では、息子さんバージョン、首を長~くして待っていることにします。

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