動物学ーSaskatoon周辺で出会う動物たちーRichardson's ground squirrel (Urocitellus richardsonii)

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一般論ですが、北米は日本と比較すると野生動物と人間との距離が近く、街中に居ても、一風変わった生き物と遭遇することが多々あります。
「-40°になるところで、何が生きていけるわけ?」
私も最初はそう思っていましたが、何しろ‐20°でも、おっさんが半袖で雪かきをしている町、それがSaskatoonです。
おっさんも進化していますが、動物も負けてはいません。
多種多様な生き物を、そこかしこで見ることが出来ます。
そこで、今回は「動物学」と銘打ちまして、Saskatoon近辺で見ることの出来る動物たちにスポットを当てていきたいと思います。
「あのさぁ…少しは役に立つことを書いたら?」
真実の探求者はいつでも迫害を受けるものです。
古来より、動物学は博物学の一分科として我々の知識欲を大いに満たしてきました。自然を観察し、自然から学ぶことは生命科学の第一歩とも申せましょう。
それでは、遠い北の地Saskatoonに力強く生きる生き物たちに目を向け、大いに観察し、大いに学んでいこうではありませんか。
一番バッターは、こいつ。
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Saskatoonでは、春先になると地面からジリスがわらわら出てきて、町中のそこかしこで穴を掘りはじめます。
大きさは、概ね30㎝前後。
日本のシマリスよりは二回りほど大きく、プレリードッグよりは二回りほど小さな体格をしています。
リチャードソンジリス(Richardson’s ground squirrel)という立派な名前がありますが、町の人たちはごく簡単にGopherと呼んでいます。
これは、Squirrelという単語が、いまだに正しく発音できない私にとっては非常にありがたい習慣です。ゴーファーなら舌が回ります。
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Gopher達は春先に繁殖期を迎え、雌が冬眠に利用した巣穴の中で子育てが始まります。繁殖期は年に一度で、一回に生まれる子供の数は平均で5匹から8匹と言われています。
どうですか?
いやに詳しいでしょう?
全部、University of Lethbridgeの提供するジリスの情報サイトの受け売りです。
リンクを張りましたので、これ以上ジリスについて知りたい方はそちらへ飛んで頂ければと思います。

大地が新緑に覆われる6月頃、その年に生まれた子供達が巣穴から地上へと姿を現し、走り始めます。
大学内を散歩していると、視界の下部をちょろちょろと何かが横切ったら、たいていゴーファーです。
学内の個体は特に、あまり人を恐れることなく、こちらが近づく素振りさえ見せなければ、人間に頓着なく暮らしています。
ベンチに座り、Tim Hortonsのコーヒーを片手に、足元で繰り広げられるゴーファーの子供たちの喧嘩を見ていると、あぁ、カナダにいるのだなぁ、と実感が沸いてきます。
そんな可愛らしいゴーファーですが、ここSaskatchewan州では一般には害獣として認知されています。
庭や畑を穴掘りで荒らしてしまい、ひどい場合には建物の土台をがたがたにしてしまうのに加え、牛などの家畜が穴につまづいて骨折してしまうなどの家畜の被害もあることから、カナダの人々…特に農家の方たちには、あまりに人気のない動物です。
学内でも、文科系および理学系の敷地内では放置されていますが、農学系の敷地に入ると、そこは人とジリスの果てしない戦場です。
もっとも、巣穴の入り口に、使い込まれた罠が仕掛けてあるのをしょっちゅう見ますが、捕まっているのは一度も見たことがありません。同じ農場に通い続けて8年になりますが、農場からジリスの姿が消えたこともありません。
迷惑だ…と言いつつ、人間の方も、徹底的に対策をすることは無く、一定の緊張感はあれど、お互いの間を比較的のんびりした空気が流れています。
この辺が、カナダ…なのかもしれません。
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