サスカの情報をお届けすべきブログなんですが・・・、最近余計な話題が増えております。
みなさん、こんにちは。
さて、今日は海外で妊娠糖尿病と言われた妊婦がどんな目にあったかについてお届けしたいと思います。(個人の体験です。すべての人がこうなるとは限りません)
2度目のグルコーステストで、アウトの判定を頂いた私たち夫婦は、かかりつけ医の紹介で内分泌の専門医を紹介してもらい、予約を取りました。
しかしながら、専門医というのはすでに数か月単位で、予約が入っており、「それじゃ、明日来てくださいね」というわけにはいかないのであります。
案の定、医師と会うのは検査結果が出てから2週間後のこととなりました。
その代わり、栄養指導はすぐに受けられるということで、担当のナースのアポイントが入りました。
ナースの栄養指導では、実際どんな食事をとればよいかを簡単に説明してくれましたが、基本的には日本語のガイドブック(人口の多い地域だったので、いろいろな国の言葉で書かれたガイドブックが用意されていました)をよく読んでねというものでした。
ただし、普通の糖尿病患者と違い、妊婦は「栄養をしっかりとって、痩せてはならぬ」という条件が付くのです。
これが、けっこう大変なんですよね。
私の場合は、1日3回の食事では炭水化物摂取量を制限しつつ、さらに1日3回の間食で、炭水化物を補うという1日6食のルーチンを課せられました。(8時朝食、10時おやつ、12時昼食、3時おやつ、6時夕食、9時おやつ)
さらに、血糖値は起床後、朝食後1時間、昼食後1時間、夕食後1時間の計4回、毎日測定しなくてはいけません。
その都度、専用の測定器で指先に針を刺して血を試験紙に吸わせ、数値を記録するわけです。
週に1度は、その記録用紙を専門医にFAXで送ることが義務づけられました。
専門医はその記録を見ながら、次の指示を出すので、とても大事な作業になります。
さて、栄養指導のナースは一番最後に、これは念のためにということで、最悪の場合、血糖値の管理にはインスリンの投与が必要な時があります。これは自己注射でしなくてはいけないので、練習をしておきましょうと、引き出しから使い捨ての注射器と生理食塩水のバイアル(注射剤を入れた密閉容器)を出してきました。
もう正直、この時点で私は血の気が引きガクガクブルブル、恐怖におののいていたわけです。
一般的な糖尿病患者はおなかに打つ人が多いそうですが、妊婦の場合おなかに赤ちゃんがいるので、太ももに打つと言われ、あられもない格好で注射器に生理食塩水を入れるという初体験をしました。
当時、この注射針に衝撃を受けたんですが、日本のようにツルツルピカピカの地肌ではないのです。メッキが剥げたみたいな色と感触・・・。
しかもけっこう太い。
後に、日本ではペンタイプが一般的で、カチカチとダイアルを回して薬を充填し、ほっそーーーーい針でぷちっとおなかに刺して注射すると聞きました。
この時、私がアメリカで受けた注射の方法はインフルエンザの注射を1.5倍太くしたようなタイプで、容赦なくグサッと刺して、シリンジの液を自分で押し出さなくてはならなかったのです。
人生初の自己注射は、すっごく注射の下手なナースに打たれたような痛みと共に無事終わりましたが、その数時間後、盛大にあざができ、数日間ひどく痛みました。
何が悪かったんでしょうねぇ・・・。
というわけで、すっかりおびえた私は食事制限はもちろんのこと、運動も必死の思いでこなし精神的にも肉体的にも限界をとうに超えたような状態で、息も絶え絶え日々を過ごしたのです。
見てください、この気も狂いそうなタイムスケジュール
7時:採血
8時:朝食
9時:採血
10時:おやつ
12時:昼食
1時:採血
2時運動
3時:おやつ→ 仮眠
6時夕食
7時:採血
9時:おやつ
そして、初めての血糖値レポートを専門医に送った結果。
最寄りの薬局に処方箋を送りました。
すぐにでも、インスリンの投与を開始してください。
処方箋、発送済み!? 逃げ場なし???
張りつめていた緊張の糸が完全に切れ、涙も止まらず発狂寸前。
あんなに頑張ったのに、まだ食事療法を始めて1週間もたっていないのに、なぜ?どうして?何がいけないの?
初めての妊娠、初めての海外、慣れない生活、知り合いも、友達もいない中、昼間は一人ぼっちで、食べたいものは食べられず、食べたくないものも無理して食べ、赤ちゃんのためだからと必死に頑張ったのに・・・これ以上私にどうしろと???
何が悪かったのか説明もなく、どうしてインスリンまで打たなきゃいけないのか詳しい理由も教えられず、それをしないとどんなリスクがあるとか、ほかにどんな選択肢があるとか、全然なしに、ただ打てと。(人の体だと思って、簡単に言うんじゃないわよ!!怒)
完全に打ちのめされた私は、ひたすら孤独と恐怖に震え(夫の言葉なんてまったく耳に入りません。だって、針を刺すのはこの人じゃない)、そんな指示を出したまだ見ぬ専門医に憎しみを募らせていたのです。
まぁ、そんな日々もありました。
実際、大変だったんですが、あの時の絶望感は忘れられないですね。
その後、かかりつけ医のところにいた日本人助産師さんの暖かいサポートと、日本でかかっていた病院の助産師さんの助言、夫の支えもあって、覚悟を決めることができました。
糖尿病についてもかなり勉強して、自分で納得して注射することを決意しました。(これが結局一番大事でした)
結果的には、注射も慣れればなんとかやれるんですよね。
しまいには、(面倒ですが)レストランのトイレに行って、ちゃっちゃと打ってご飯を食べるなんて普通にやってたし、たいていの公共トイレにはバイオハザードのセーフティーボックスがあります。つまり注射器を捨てるボックスです。
私だけじゃなかったんです。
そう、私がうっかり行ったのは、そんなボックスが普通にどこにでもおいてある国だったんです。
妊娠糖尿病で落ち込んでいるアナタ、私たちはラッキーです。赤ちゃん生まれたらこの生活、とりあえず終わるんだから!!