駐妻妊婦の話 ~インスリン注射~

images (2)

さて、すっかり興が乗ってきたので、海外の出産話のブログに変更しましょうかね。

嘘です。
飽きたらSaskatoonのお話に戻りますので、もうしばらくお付き合いください。

無情にもインスリン投与のお沙汰を下された妊婦のわたくし。
紆余曲折はありつつも、自分で注射することになりました。
1日3回、朝昼夕の食事前にブスッと1本。
インスリンの量は、日々の血液検査の結果をもとに、週に1度専門医からどれくらい投与せよという指示が飛びます。

食事の準備ができたら、手を洗いソファーに座って注射針をバイアル(注射剤を入れた密閉容器)のゴム部分に刺し、薬をチューっと注射器に入れて深呼吸。
おもむろにズボンを下げて、あるいはスカートをめくって太ももをだし左手で適当な場所をつまんだら、ぶすっと刺します。
刺した時より、液を入れるときが痛かったような気がしますが、人間なれるもので「痛いなぁ」と思いつつ、淡々とこなす日々です。
あと、ここはあんまり痛くないスポットというのがあるもので狙って刺すんですが、よく外して悔しい思いをしました。

余談ですが、万が一と言われて練習したとき以外、インスリンの注射について医療関係者からアドバイスは一切もらいませんでした。
なんせ、万が一の時の話なので、あまりまじめに話を聞いていなかったということもあり、私は注射をしてから10分後に食事を始めよと言われたと思い込んでいたのです。
これで、えらい目にあいました。
いつものように、注射しておなかがすいたな~と思いつつ、食卓で「マテ」の状態だったとき、なんだか目の前が急にぼやけて心臓がドキドキし始めました。明らかに異常な状態です。
すぐにピンときて、砂糖の塊のタブレットを旦那に口に入れてもらいました。(もう体中しびれてあんまり自分で動けないので)
低血糖の状態です。
インスリンの注射を打つと、血中の糖の分解が始まります。分解する糖が血中になくなると低血糖を起こし、このような状態になりますので、糖尿病の方は大抵、緊急用のタブレット(砂糖の塊みたいなもの)を持っています。
ピンと来たのは、事前に糖尿病についてお勉強していたおかげで、そういうこともあるという予備知識のおかげでした。

それでやっと、打ったら待たずに食べなきゃいけなかったんだ・・・と初めて自覚しました。
そもそも、なんで10分マテなんて思いこんじゃったんでしょうね・・・。
これのおかげで、レストランで打つときは食事がテーブルに来るタイミングを見計らって、トイレに行くという・・・だんだん高度なことができるようになりました。

ちなみに、インスリンの注射にはケトンの測定というおまけがつきました。
朝起きたら一番に、尿検査です。専用の試験紙を手に入れて、毎朝自分でチェックします。
興味のある方は、ケトンってなんぞやと調べてみてください。
恐ろしい話が出てきますよ。

妊婦とケトンは最低の組み合わせです。妊娠中毒症の原因ですので。
一度、旦那が出張に行くというので、朝の5時に見送りのために起きたことがあります。いつもの時間じゃないけど、ついでにケトンチェックもしました。(異常なし)
旦那が出た後、二度寝をしようと思ったものの結局眠れず、ベッドでぐずぐずしたことがありました。
あまりにもおなかがすいてきたので、起きて何か食べようと、1日のルーチン、朝の尿検査から再び始めたんです。(すでに一度チェックはしていたのに)
すると、なんとケトンが!!!(異常発生!!)

大慌てで食べ物を口にしましたが、その時インスリンを打ったかどうか・・・覚えてませんが、こういう場合打たないほうが良かったんじゃなかろうかと今にして思います。
おなかをすかせたのが原因と、頭ではわかっていますがヒヤリとした一幕でした。

それ以外は、なんとかかんとかやり過ごして妊娠後期を過ごしていきました。

そんなある日。
出産予定日の2週間以上前でしたが、生理痛のような痛みを腹部に感じたのです。
前句陣痛ってやつでしょうか?

次回はいよいよ、出産レポートです。

追伸
忘れていましたが、実際に出会った内分泌の専門医(私に注射せよと無慈悲にも言い渡した張本人)は小柄な男性で、いつも蝶ネクタイをしていたので、「蝶ネクタイ」とあだ名をつけてやりました。
蝶ネクタイは、お上品なしゃべり方でにこりとも笑わず、冗談も飛ばさず、とっても面白くない人でしたが、「赤ちゃんを守るために、危険性を0%にする方法があるなら、迷わず私はそれを選びます。」という医者でした。
5%の危険性と0%の危険性、もしも選べるならば、たとえ辛い道でも0%を選ぶというのは、母親として迷いなく受け入れられる事実でした。

最初っからそう言えよ!! とは思いましたけどね。

 

妊娠中に何が辛いって、つわりも辛かったけど、1日に指先3回、太ももに3回針を刺す方がよほど辛かった。でも、一番つらかったのは、1日6回食べること!!! 頑張った9年前の私に、一票を。

にほんブログ村 海外生活ブログ カナダ情報へ
にほんブログ村 海外生活ブログ 海外生活情報へ
にほんブログ村

コメントを残す